会計監査

 金融商品取引法監査には、財務諸表監査と内部統制監査の2種類がある。

 財務諸表監査の対象となる企業は、有価証券報告書(届出書)の提出会社であり、監査対象は有価証券報告書の「経理の状況」に掲げられている財務諸表である。

 また、内部統制監査の対象となる企業は、上場会社であり、監査対象は内部統制報告書である。

  • 金融商品取引法監査

  • 会社法監査

 会社法は、資本金の額が5億円以上または負債総額が200億円以上の会社を大会社と位置づけ、当該大会社に対し会社法監査を受けることを義務付けている。それゆえ、大会社に該当する場合は公認会計士による監査を受ける必要があり、仮に監査を受けていない場合は会社法違反となる。また、会社法監査を受ける場合は、会計監査人の選任および登記が必要になる。

  • 社会福祉法人監査

 一定規模を超える社会福祉法人には、会計監査人(公認会計士または監査法人)による監査を受けることが義務付けられた。

(改正社会福祉法第37条および第45条の2)

 会計監査人の設置が義務付けられる社会福祉法人の範囲は次の考えが示されている。

  • 平成29年度・平成30年度

  • 平成31年度・平成32年度

  • 平成33年度以降

……………

収益30億円を超える法人または負債60億円を超える法人

収益20億円を超える法人または負債40億円を超える法人

収益10億円を超える法人または負債20億円を超える法人

  • 認定こども園・幼稚園の外部監査

 平成27年4月より「子ども・子育て支援新制度」がスタートした。

 新制度では、公認会計士による会計監査は任意であるが、「施設型給付」を受ける認定こども園および幼稚園について、公認会計士による外部監査を受けた場合は、「外部監査費加算」として公定価格に加算して交付される。

 新制度園が公認会計士による外部監査を受けた場合には、軽微とは認められない指摘を受けた場合を除いて、原則として、市町村による会計監査が一部対象外となる。

  • 医療法人監査

 一定規模を超える医療法人等には、会計監査人(公認会計士または監査法人)による監査を受けることが義務付けられた。

(改正医療法第51条および第70条の14)

  • 医療法人のうち、最終会計年度に係る負債額の合計が50億円以上または収益額の合計が70億円以上であるもの

  • 社会医療法人のうち、最終会計年度に係る負債額の合計が20億円以上または収益額の合計が10億円以上であるもの

  • 社会医療法人のうち、社会医療法人債発行法人であるもの

  • 地域医療連携推進法人

  • 学校法人監査

 私立学校振興助成法では、経常的経費について補助金の交付を受ける学校法人は、学校法人会計基準に従い会計処理を行い、作成した財務書類と予算書を所轄庁に届け出ること、また、原則として財務計算に関する書類に公認会計士または監査法人の監査報告書を添付しなければならないとされている。

 所轄庁は、設置される学校の区分に従って文部科学大臣と都道府県知事に区分される。

  • 公認会計士監査(会計監査人の監査)を受けることによるメリット

  • 財務情報の信頼性の向上、ガバナンスの強化、これによる法人の社会的な信頼性向上に寄与

  • 適切な経営判断に不可欠な信頼性の高い財務情報を適時に把握できる管理体制の整備・経営力の強化に寄与

  • 職業的専門家との定期的なコミュニケーションにより経営課題を浮彫にし、課題解決に共に取り組む

  • 不正の防止、発見効果が上がる

  • ​業務プロセスの見える化により、効率的な経営の実現に寄与

 ただし、段階施行の具体的な時期および基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討する。